共有不動産から適切に収益が分配されていない
こちらは、実は、比較的よくある問題です。
様々な原因で不動産が共有となっている場合があります。
たとえば、遺産分割での話し合いの結果、特定の不動産を兄弟ABで2分の1ずつ共有することした場合や、XYZの3名で共同して資金を出し合って賃貸向け不動産を購入して、3分の1ずつ共有している場合などです。
本来ですと、共有不動産からの収益は、共有者間に持ち分に応じて公平に分配するというのが通常です。
ですので、上記の3名で共同して資金を出し合ったというケースで、たとえば賃料収入が500万円あり、物件に関する経費で50万円かかった、という場合には、賃料収入500万円から経費である50万円を差し引き、差額の450万円を3名で150万円ずつ分ける、という考え方になります。
ところが、実際には、共有不動産であるにもかかわらず、特定の共有者だけが賃料を独占していて、持ち分に応じた賃料が支払われていない場合があります。場合によっては、だれにどのような賃料で貸しているのか、といった基本的な情報すらない場合もあります。
このような場合には、交渉や訴訟において、賃料等に相当する収益を適切に受け取れるように進めていかなければ埒が開きません。
* 本記事は2019年6月執筆時での法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。
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