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2020.06.29
2020.08.05

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無料雛形プレゼント|不動産会社・不動産オーナー様必見!4つの新型コロナウイルス対応

不動産会社・不動産オーナーが取るべき4つの新型コロナウイルス対応とは?

新型コロナウイルス感染拡大は、本記事の執筆時点で(2020年6月末)若干の落ち着きをみせていますが、まだまだ予断を許さない状況です。

賃貸住宅新聞2020年6月22日号などでも、「アパート賃料滞納『じわり』発生」との見出しがあり、今後、テナントだけでなくアパートの賃料滞納も増えていくことが予想されます。

そこで今回は、新型コロナウイルス感染症対応の長期化も見据えて、オーナーとして知っておくべき入居者・テナントからの請求への対応について、概要を確認したいと思います。

今回は、以下の4点を確認したいと思います。

① 入居者・テナントから賃料支払を拒絶された場合
② 入居者・テナントから賃料減額を求められた場合
③ 入居者・テナントから賃料支払猶予を求められた場合
④ 入居者・テナントから賃料不払いが続き、立退きを求める場合

(注意!)

なお、いずれも契約書に特に定めがない場合を想定しています。個別の事情や契約書の記載等により、結論や法律的な助言内容は異なる場合がございますので、ご注意ください。

【対応1】入居者・テナントから賃料支払を拒絶された場合

ケース1
入居者から失業のために賃料が支払えない、あるいは、テナントから営業できないために賃料の支払をしない、できないといわれたがどう対応すべきか。
商業施設のオーナーが施設を閉鎖したような場合でなければ支払義務を免れるわけではない。

新型コロナウイルスのような不可抗力に基づく場合であっても、賃貸している物件が利用可能なのであれば、基本的に賃料の支払義務はかわらず負います。

物件自体が利用できるものの、お客さんの入りが見込めないから営業をしないといったケースでは賃料の支払を拒絶することはできません。

一方で、大規模な商業施設で、オーナー側から店舗全体を閉鎖したとか、オーナー側からテナントの利用を禁止するような場合には、現実に利用ができないので賃料の支払拒絶を認めざるをえない場合があります。

【対応2】入居者・テナントから賃料減額を求められた場合

ケース2
入居者やテナントから失業や売上減少に伴い、賃料の減額を求められた。
手紙が届いたが借地借家法32条1項に基づく減額請求との記載がある。
一時的な売上減を理由に減額は難しいと考えられているが、今後、影響が長期化すると減額が認められる可能性もある。

新型コロナウイルスのような不可抗力に基づく場合であっても、賃貸している物件が利用可能なのであれば、基本的に賃料の支払義務はかわらず負います。

物件自体が利用できるものの、お客さんの入りが見込めないから営業をしないといったケースでは賃料の支払を拒絶することはできません。

一方で、大規模な商業施設で、オーナー側から店舗全体を閉鎖したとか、オーナー側からテナントの利用を禁止するような場合には、現実に利用ができないので賃料の支払拒絶を認めざるをえない場合があります。

借地借家法32条

賃料の増減額については、借地借家法32条に賃料増減額についての規定があります。


(借賃増減請求権)
第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
(以下略)

確かに、新型コロナウイルスによる影響は「経済事情の変動」に該当する可能性はあるのですが、一時的な自粛で売上が一時的に減少したといった場合には、直ちにこの借地借家法32条に基づく減額請求まではできない、という見解が現時点では多いように思われます。

要するに、一時的な売上減少で直ちに賃料減額というわけではなく、多くのテナント等で売上減少が生じ、需要減少等で賃料相場が下がってきて、結果として、「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき」に、賃料減額が認められるということです。

ですので、今後、さらに新型コロナウイルス感染症による影響が長期化し、近傍の土地建物や同種建物の家賃水準が変わってくると、「近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき」に該当し、減額が認められる可能性が高くなってくると考えられます。

なお、もちろん、法律上はそうだとしても、貸主借主の当事者間で協議して合意に達すれば減額することは可能です。合意により賃料を減額する場合には、どのくらいの期間についていくら減額するのか、期間経過後には賃料がもとに戻る旨の記載が必要です。

また、当事者間の賃料減額の協議がまとまった場合には、税務上の損金処理ができるように、必ず書面を作成しておきましょう。

税務上の損金計上

法人・個人が行った賃料の減額が、次の条件を満たすような場合等には、その減額した分については、寄附金に該当せず、税務上の損金として計上することが可能であることが明確化されました。

以下、覚書の雛形が公開されておりますが、最小限の事項が記載されたシンプルなものですので、当事務所では、別途の雛形も準備しております。

①取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること 
②貴社が行う賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること 
③賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものであること 

○法人税基本通達

(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等) 9-4-6の2 法人が、災害を受けた得意先等の取引先(以下9-4-6の3までにおいて「取引先」という。)に対してその復旧を支援することを目的として災害発生後相当の期間(災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう。以下9-4-6の3において同じ。)内に売掛金、未収請負金、貸付金その他これらに準 ずる債権の全部又は一部を免除した場合には、その免除したことによる損失の額は、寄附金の額に該当しないものとする。

既に契約で定められたリース料、貸付利息、割賦販売に係る賦払金等で災害発生後に授受するものの全部又は一部の免除を行うなど契約で定められた従前の取引条件を変更 する場合及び災害発生後に新たに行う取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様とする。

【対応3】入居者・テナントから賃料支払の猶予を求められた場合

ケース3
入居者・テナントから賃料支払の猶予を求められたが、猶予に応じる義務はあるのか。
猶予に応じる義務はないが、応じるオーナーも一定数いる。

賃料の支払猶予(たとえば、3か月間月額賃料を月額4万円減額し、減額した分(3ヶ月分合計12万円)を後に1年かけて(毎月1万円上乗せ)支払ってもらうなど)については、基本的に、猶予を強制する方法はありません。

ですので、支払猶予に応じるかどうかについては、オーナー側で、入居者やテナントとの関係、管理会社等のアドバイスを受けながら決めて頂けたらよいかと思います。実例としては、オーナー側としても、特にテナント案件については、テナント側の事情に配慮し、減額に応じているケースも少なからずあるようです。

そのように協議がまとまった場合には、一時的な支払猶予であることや支払方法を記載した書面を作成しておくべきです。こちらも当事務所では、基本的な書面のフォーマットを準備しております。

また、まとまらない場合でも、すぐに立ち退きを求められるとは限らないですし、解除する際に交渉経過も考慮される可能性もありますので、協議には応じるべきでしょう。

この点については、協議申し入れがあった時点で、対応について弁護士への相談をお勧めします。

入居者・テナントとの間で賃料減額や猶予が決まったのに書面を作らないとどうなる?

入居者・テナントとの間で賃料減額や猶予が決まったのに書面を作らないとどうなるでしょうか。結論としては、トラブルのもとです。

たとえば、賃借人から「新型コロナの影響で売上があがらないので賃料を減額してほしい。賃料を3割引にしてもらえないか。影響が収まるかどうか、まず3か月程度は様子をみたい」といわれて、オーナーとしては、まあ3か月だけなら、ということで賃料減額に応じたとします。

オーナーは、3か月間、3割引の賃料を受け取っていたところ、9月になっても、3割引の賃料が払われてしまいました。賃借人に対して問いただすと、「新型コロナの影響が収まらないから賃料はもとに戻せない。」と言われました。

賃貸人としては、賃料減額を求め、3か月程度様子を見て、影響が収まって賃料を再度協議するのが3か月先、考えていました。

賃借人としては、3か月程度、様子をみたいと言われたで、減額期間は3か月、9月以降はもとの賃料に戻る、と考えていました。

これは一つの例ですが、このように口頭の話では結果として曖昧さが残ってしまうことが少なくありません。上記の結論がどうか、という点ではなく書面を作らず疑義がある状態を作ってしまったことが問題なのです。

【対応4】入居者・テナントから賃料不払いが続き、立退きを求める場合

ケース4
新型コロナウイルスの影響からか、3か月程度、賃料の未払いが生じているテナントや入居者が出てきました。立ち退きを求めることはできるのでしょうか。
通常であれば立ち退きが認められる3か月程度の未払いでも、立ち退きを求められない可能性があります。

賃料不払いが続いている場合には、賃料不払いを理由として賃貸借契約を解除し、物件を立ち退いてもらい、次の賃借人を探すことになります。

一般的に、賃貸借契約を解除するためには、最高裁判例により、単に不払いがあっただけでなく、信頼関係を破壊するだけの事情が必要とされており、通常、3か月程度の不払いがあってはじめて賃貸借契約が解除できると言われています。

この点は、仮に契約書に「1回でも滞納があったら直ちに解除できる」といった記載があっても同様です。

法務省民事局の見解

一般論としては上記のとおりですが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況下については法務省民事局が見解を示していることに注意が必要です。

「最終的には事案ごとの判断となりますが,新型コロナウイルス感染症の 影響により3か月程度の賃料不払が生じても,不払の前後の状況等を 踏まえ,信頼関係は破壊されていないと判断され,オーナーによる契約解除(立ち退き請求)が認められないケースも多い」(引用おわり)と考えられています。

個別の事情によりますが、この信頼関係が破壊されたかどうかについては、不払いに至った経緯、不払い後の交渉状況なども考慮されますので、誠実に賃料についての協議に応じたかどうか、オーナーからの協議要請に対して応じたかどうか、という点も信頼関係についての考慮要素の一つになると考えられます。

この点について、それまでの賃借人との経過等も関わってきますので、弁護士等の専門家に相談することが望ましいといえるでしょう。

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最後に、当事務所では、賃料の減額及び賃料の猶予についてのフォーマットを、当事務所のメルマガに登録していただいた方に配布しております。

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▶ 当事務所ではひな型の提供だけでご利用はご自身の判断で行っていただくこと(ひな型を利用したことによる責任は当方では負いかねます。)

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上記内容にご承諾頂ける場合には、以下よりお問い合わせください。

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 本記事は2020年6月執筆時での法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。
 記事の内容については、執筆当時の法令及び情報に基づく一般論であり、個別具体的な事情によっては、異なる結論になる可能性もございます。ご相談や法律的な判断については、個別に相談ください。
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