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一新総合法律事務所 東京事務所
東京弁護士会所属
不動産会社を中心に、不動産オーナー、不動産に関連するサービスを提供する企業のトラブル/法律相談を対応しています。年間1,100件以上(2023年実績)の不動産に関する相談を扱ってきた実績から、不動産分野の各種法律相談や契約書作成等幅広く対応が可能です。
今回のコラムでは、チェックリスト、運用の考え方、変更時の対応、立ち入り調査の現状について解説します。
国土交通省では、令和5年1月から2月にかけて、全国97社の賃貸住宅管理業者及び特定転貸事業者へ立入検査を実施し、うち59社に是正指導を行いました。[1]
是正対象で特に多かったのは、以下の2点です。[2]
① 管理受託契約重要事項説明義務違反(賃貸住宅管理業法(以下略)第13条関係)17件
⇒法定記載事項の記載不備など
② 管理受託契約締結時の書面交付義務違反(第14条関係)28件
⇒法定記載事項の記載不備など
そこで、本稿では「管理受託契約重要事項説明に必要な法定記載事項」及び「管理受託契約締結時の交付書面の法定記載事項」に加え、「特定賃貸借契約重要事項説明に必要な法定記載事項」及び「特定賃貸借締結時の交付書面の法定記載事項」につき、チェックリストとして確認できるよう、一覧で紹介したいと思います(詳細はリンク先の国交省の資料をご確認ください)。
各項目でさらに記載すべき点がある場合には、その点も記載しておりますので、参考にしてください。
[1] https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001609597.pdf[2] https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001609599.pdf
1 締結前の重要事項説明において必要な記載項目(第13条、規則31条)[3][4]
① 管理受託契約を締結する賃貸住宅管理業者の商号、名称又は氏名並びに登録年月日及び登録番号
② 管理業務の対象となる賃貸住宅
③ 管理業務の内容
④ 管理業務の実施方法
⑤ 管理業務の一部の再委託に関する定めがあるときは、その内容
[3] https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001404841.pdf[4] https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001474894.pdf
⑥ 責任及び免責に関する定めがあるときは、その内容
⑦ 法第二十条の規定による委託者への報告に関する事項
⑧ 契約期間に関する事項
⑨ 報酬、支払時期及び方法に関する事項
⑩ 賃貸住宅の入居者に対する③,④の周知に関する事項
⑪ ⑨の報酬に含まれていない管理業務に関する費用の内容
⑫ 契約の更新及び解除に関する事項
2 締結時書面(契約書)において必要な記載項目(第14条、規則第35条)
① 管理業務の対象となる賃貸住宅
② 管理業務の実施方法
③ 契約期間に関する事項
④ 報酬に関する事項
⑤ 契約の更新又は解除に関する定めがあるときは、その内容
⑥ 管理受託契約を締結する賃貸住宅管理業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに登録年月日、登録番号
⑦ 管理業務の内容
⑧ 管理業務の一部の再委託に関する定めがあるときは、その内容
⑨ 責任及び免責に関する定めがあるときは、その内容
⑩ 法第二十条の規定による委託者への報告に関する事項
⑪ 賃貸住宅の入居者に対する周知に関する事項
第3 特定賃貸借契約(マスターリース契約)
1 重要事項説明に必要な法定記載事項(第30条、規則第46条)
① マスターリース契約を締結するサブリース業者の商号、名称又は氏名及び住所
② マスターリース契約の対象となる賃貸住宅
[5] 国交省問い合わせ。
③ 契約期間に関する事項
④ マスターリース契約の相手方に支払う家賃の額、支払期日、支払方法等の条件並びにその変更に関する事項
⑤ サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法
⑥ サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全に要する費用の分担に関する事項
⑦ マスターリース契約の相手方に対する維持保全の実施状況の報告に関する事項
⑧ 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
⑨ 責任及び免責に関する事項
⑩ 転借人の資格その他の転貸の条件に関する事項
⑪ 転借人に対する⑤の内容の周知に関する事項
⑫ マスターリース契約の更新及び解除に関する事項
⑬ マスターリース契約が終了した場合におけるサブリース業者の権利義務の承継に関する事項(以下、雛形も用意されているため、そちらもご参照ください[6]。)
[6] https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001409434.docx
① 土地又は建物に対する租税その他の負担の増減により不相当となったとき
② 土地又は建物の価格の上昇又は低下その他の経済事情の変動により不相当となったとき
③ 近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、サブリース業者は家賃を相当な家賃に減額することを請求することができること及び空室の増加やサブリース業者の経営状況の悪化等が生じたとしても、上記①~③のいずれかの要件を充足しない限りは、同条に基づく減額請求はできないことを記載し、説明する必要があります。
15 借地借家法第28条(更新拒絶等の要件)について
16 借地借家法第38条(定期建物賃貸借)について
① オーナー及びサブリース業者(転借人(入居者)を含む)が建物の使用を必要とする事情
② 建物の賃貸借に関する従前の経過
③ 建物の利用状況及び建物の現況並びにオーナーが建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えにサブリース業者(転借人(入居者)を含む)に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければすることができない旨を記載し、説明すること。特に、契約において、オーナーとサブリース業者の協議の上、更新することができる等の更新の方法について定められている場合に、オーナーが、自分が更新に同意しなければ、サブリース業者が更新の意思を示していても、契約を更新しないことができると誤認しないようにする必要があります。
2 契約締結時の交付書面の法定記載事項(第31条)
① マスターリース契約を締結するサブリース業者の商号、名称又は氏名及び住所
② マスターリース契約の対象となる賃貸住宅
③ 契約期間に関する事項
④ マスターリース契約の相手方に支払う家賃その他賃貸の条件に関する事項
⑤ サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法
⑥ サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全に要する費用の分担に関する事項
⑦ マスターリース契約の相手方に対する維持保全の実施状況の報告に関する事項
⑧ 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
⑨ 責任及び免責に関する定めがあるときは、その内容
⑩ 転借人の資格その他の転貸の条件に関する事項
⑪ 転借人に対するサブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法の周知に関する事項
⑫ 契約の更新又は解除に関する定めがあるときは、その内容
⑬ マスターリース契約が終了した場合におけるサブリース業者の権利義務の承継に関する事項
[7] https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/04/sankou.pdf
法施行に対応するため、契約内容を変更する場合には、そのタイミングに応じて以下の対応が必要となります。
1 法施行前に締結された契約の場合
この場合、内容変更を伴う契約変更をするときには、すべての事項につき重要事項説明を行い、契約締結時の書面を交付する必要があります。契約の更新を行う際にも内容の変更があるときには上記と同様の対応を行う必要があります。
2 法施行後に締結された契約の場合
こちらの場合には内容変更を伴う契約変更をするときには、変更部分のみにつき重要事項説明及び契約締結時の書面を交付すれば足ります。内容変更を伴う契約更新の際にも同様です。なお、契約の同一性を保ったままで契約期間のみを延長することや、組織運営に変更のない商号又は名称等の変更等、形式的な変更と認められる場合は、重説の再実施、契約時書面の再交付は不要です。
国交省による立入検査はまだ始まったばかりですが、早めの対応を行うためにも、不動産分野に特化した弁護士にご相談されることをおすすめいたします。
第3 特定賃貸借契約(マスターリース契約)
1 重要事項説明に必要な法定記載事項(第30条、規則第46条)
① マスターリース契約を締結するサブリース業者の商号、名称又は氏名及び住所
② マスターリース契約の対象となる賃貸住宅
・ マスターリース契約の対象となる賃貸住宅の所在地、物件の名称、構造、面積、住戸部分(部屋番号、住戸内の設備等)、その他の部分(廊下、階段、エントランス等)、建物設備(ガス、上水道、下水道、エレベーター等)、附属設備等(駐車場、自転車置き場等)等について記載し、説明する必要があります。 ・ 区分所有建物のみを扱う場合には、オーナーから委託を受けている住宅の範囲が明確になれば足りるため、占有面積を記載することになります。附属設備等につきましても、共同住宅の管理会社が委託を受けているのであれば記載する必要はあ
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