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2022.07.20
2022.07.21
コラム

ルール変更!所有者不明土地に関する法改正-不動産登記法-

所有者不明土地問題について法制度の改革が行われます。

これまでは相続登記は義務でなかったことや、地方を中心に土地活用のニーズが低下したことから、遺産分割未了のまま放置されることも少なくありませんでした。

その結果、土地不動産登記を確認しても所有者が直ちに判明しない土地や、所有者が判明したとしても、その所在が不明で連絡がつかない土地が増えました。

こうなると、所有者の探索に時間がかかったり、放置された土地が増えたりして、土地の利活用や管理が不全となる懸念があります。

不動産取引をしようとしても所有者がわからないことや、隣地の土地の管理状況に問題があって、苦情を伝えようにも所有者がわからないといった事態になるからです。

このような課題を解決するために、所有者不明土地の解消に向けた法改正が行われます。

主には以下の3つとなります。

①登記が適切に行われるようにするための不動産登記制度の見直し
②土地を手放すための制度(相続土地国庫帰属制度)の創設
③土地利用に関連する民法の規律の見直し

本コラムでは、改正予定の不動産登記法の主なポイントについて確認していきます。

相続登記の申請の義務化(令和6年4月1日施行)

これまで相続登記の申請は相続人の任意とされてきました。

相続した土地の価値が乏しく、相続してもメリットのない場合や売却が困難な場合は、登記に関する費用や手間をかけてまで登記申請を行う相続人は少なく、登記の申請を行わなかったことで相続人が不利益を被ることはないため、多くの所有者不明土地が発生していました。

そのため、相続または遺贈によって不動産を取得した相続人による相続登記が義務化されます。

相続登記の申請義務(不動産登記法 令和6年4月1日施行)

① 相続または遺贈によって、不動産を取得した相続人は、自己がその所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転登記の申請をしなければならない(新第76条の2第1項)。

② 遺産分割によって、不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、所有権移転の登記を申請しなければならない(新第76条の2第2項)。

③ 上記①②について、正当な理由がないにもかかわらず義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象となる(新第164条)。

ここで注意が必要なのは、不動産登記法の改正法の施行日前に相続が発生したケースについても、上記のとおり、登記の申請義務が課されます(不動産登記法 新附則第5条第6項)。

施行日前に相続が発生したケースについては、施行日から3年以内の申請が必要となります。

法務省「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」 抜粋

相続人申告登記(令和6年4月1日施行)

不動産の相続が発生した場合、下記の図のように、相続人の間での遺産分割の協議が完了するまでは、全ての相続人が法定相続分の割合で不動産を共有している状態となります。

この共有状態で登記を行うことは可能ですが、法定相続人の範囲と法定相続分の割合の確定が必要であるため、被相続人の戸籍謄本等の収集が必要で、登記申請の負担が大きいものとなります。

そのため、相続人が申請義務を簡易に履行できるよう、新たな登記制度が設けられます。

相続人申告登記制度​(不動産登記法 令和6年4月1日施行)

① 所有権の登記名義人について相続が開始した旨

② 自らがその相続人である旨を不動産の所有権登記の申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出ることによって、申請義務を履行したものとみなす(新第76条の3)。

この新たな登記によって、法定相続人の範囲及び法定相続分の割合の確定が不要になります。

また、相続人が複数存在する場合でも、各相続人が単独で申出ることができるため、登記の負担が軽減されます。

所有不動産記録証明制度(令和8年4月までに施行)

親の急な他界によって、親が所有している不動産が全て把握できていないケースや、親戚の相続人ではあるが、疎遠であったために所有している不動産が全く分からないケースは少なくありません。

現在の不動産登記記録は土地や建物ごとに作成されており、特定の者が所有している不動産を全国から網羅的に抽出する仕組みがないため、相続人が見逃してしまった不動産は少なからず存在しています。

そのため、相続人において被相続人名義の不動産を把握しやすくするため、登記官において、被相続人が登記簿上で所有者として記録されている不動産の一覧をリスト化してもらえる制度が新設されます(不動産登記法 新第119条の2)。

しかし誰もが、特定の者が所有する不動産一覧リスト(所有不動産記録証明書)を取得できるとなると、プライバシー等の観点から不安になるかと思います。

その対策として以下のとおり、証明書の交付請求が可能な者の範囲が定められています。

所有不動産記録証明制度(不動産登記法 令和8年4月までに施行)

【所有不動産記録証明書の交付請求が可能な者の範囲】

・不動産所有者本人(自らが所有権の登記名義人として記録されている者)(新第119条の2第1項)
・相続人その他の一般承継人(新第119条の2第2項)

住所等の変更登記の申請の義務化(令和8年4月までに施行)

現在、不動産の所有権の登記名義人は、住所等を変更してもその旨の登記申請は任意とされています。申請を行わなかったことによる不利益もなく、転居等の度に所有する全ての不動産について、それぞれ変更登記をする負担があるため、住所変更登記等の申請がなされないケースが多くあります。

とりわけ、都市部では住所変更等の未了が所有者不明土地の主な原因であるという調査結果もあることから、住所変更登記等の申請が義務化される予定です(不動産登記法 新第76条の5)。

住所等の変更登記の申請の義務化(不動産登記法 令和8年4月までに施行)

① 不動産所有者(自らが所有権の登記名義人として記録されている者)は、住所等を変更した日から2年以内に住所等の変更登記の申請をしなければならない(新第76条の5)。

② 正当な理由がないのにその申請を怠った時は、5万円以下の過料の適用対象となる(新第164条第2項)。

他の公的機関との情報連携・職権による住所等の変更登記(令和8年4月までに施行)

住所等の変更登記の手続の合理化等の観点から、法務局以外の公的機関から取得した情報に基づき、登記官が職権で住所等の変更登記をする仕組みが導入されます(不動産登記法 新第76条の6)。

ただし、不動産所有者(自らが所有権の登記名義人として記録されている者)が個人(自然人)の場合は、本人の了承がある場合に限ります(不動産登記法 新第76条の6)。

他の公的機関との情報連携・職権による住所等の変更登記(不動産登記法 令和8年4月までに施行)

【登記官の職権による変更登記の手続イメージ】
・不動産所有者が個人の場合 住民基本台帳ネットワークシステムと連携し、住所の変更を確認+本人の承諾で、登記官が変更登記を行う。

・不動産所有者が法人の場合  商業・法人登記システムで住所変更があると、不動産システムに通知がされ、登記官が変更登記を行う。

所有者不明土地に関する法改正は大掛かりなものに

上記のとおり、不動産登記法が予定されている法改正のポイントを確認しましたが、その他にも法改正予定の項目があります。

また、不動産登記法のみならず民法の改正もありますので、所有者不明土地に関する法改正は大掛かりなものになります。

次回以降のコラムでの法改正のポイントをみなさまと確認していきたいと思います。

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この記事の監修

一新総合法律事務所
東京事務所

東京弁護士会所属

不動産業・不動産管理業を中心に、不動産業、オーナー様、不動産に関連するサービスを提供する会社様、不動産に関連するトラブルを相談したい皆様から多くのご相談やご依頼をいただいております。