営業時間 平日9:30-18:00
弁護士 栃原 遼太朗
東京事務所所属
不動産・建築紛争の取り扱いに注力。不動産管理業向け法改正セミナーなど、数多くのセミナー講師を担当。
【講師履歴】株式会社Century21・Japan様主催 「個人情報保護法改正セミナー」/弊所主催 「入居者トラブル対応セミナー」 etc.
目次
以前のコラム「【国の立ち入り検査】検査結果と賃貸管理会社が取るべき対応策」にて取り上げました、賃貸住宅管理会社への立入調査において、是正対象の一つとして多くの事業者が指摘された、帳簿の備付け義務(賃貸住宅管理業法18条)を取り上げます。
帳簿の備付け義務違反を防ぐため、具体的に注意すべき点について、本コラムでご紹介します。
賃貸住宅管理業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付け、委託者ごとに管理受託契約について契約年月日その他の国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
法第十八条の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 管理受託契約を締結した委託者の商号、名称又は氏名
二 管理受託契約を締結した年月日
三 契約の対象となる賃貸住宅
四 受託した管理業務の内容
五 報酬の額
六 管理受託契約における特約その他参考となる事項
2 前項各号に掲げる事項が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等に記録され、必要に応じ賃貸住宅管理業者の営業所又は事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって法第十八条の規定による帳簿への記載に代えることができる。
3 賃貸住宅管理業者は、法第十八条の帳簿(前項の規定による記録が行われた同項のファイル又は磁気ディスク等を含む。)を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後五年間当該帳簿を保存しなければならない。
「賃貸住宅の所在地及び物件の名称、部屋番号、委託の対象となる部分及び附属設備」について記載が必要です。
集合住宅の場合は、「委託の対象となる部分」については、共用部を含むか否か、という点について明確にする形での記載が求められます。
「受託した管理業務の内容」「報酬の額」「特約その他参考となる事項」の記載が求められます。
「その他参考になる事項」については、国交省が定める標準管理受託契約書に定めのない事項が想定されますが、どこまでの事項を記載すべきか、という点は、個々の賃貸住宅管理業者の判断に委ねられているところです。
帳簿については、「各事業年度の末日をもって閉鎖する」ことが求められますが、具体的には、年度末ごとに帳簿を一区切りとする形で整理するイメージとなります。(例:帳簿ファイル等を年度毎に分けて整理・保管)
また、規則38条2項に規定された条件(必要に応じ、営業所などでプリンタ等を用い明確に紙ベースで出力できる状態でデータが保管されている、等)を満たすのであれば、帳簿を電子データで保管することも可能です。
法定の保管期間(5年)経過後については、保管義務が課されませんので、個々の事業者ごとの判断にはなりますが、廃棄することも可能です。
ただし、法人税法上の帳簿書類の保管期間が7年と定められておりますので[1]、税制申告上の帳簿書類も兼ねている場合は、ご注意ください。
[1] 法人税法126条の2、同法150条の2、同法施行規則59条1項等。ただし、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度または青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失金額が生じた事業年度においては、10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)となります。(国税庁HPタックスアンサーNo5930より引用)
今回は、賃貸住宅管理業法上、登録事業者に対し課される、帳簿の備え付け義務との関係で悩みやすい点について、いくつかQ &A方式でピックアップして説明しました。
帳簿の記載・保管等に関する運用を見直しいただき、ご不明な点は一新総合法律事務所 東京事務所にご相談ください。
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